019：嫉妬

久しぶりにミオちゃんが出てきます。
お正月ネタで出てきたきりかな？

ミオ＠プリュネラは、小夜子の高校の友達。
というか親友？
その妹のリン＠ブライスは、
小夜子の中学の後輩。
リンは小夜子に憧れてて、
小夜子に迷惑かけてるニナを
嫉妬半分で嫌っています。

そんな人間関係。

では「つづき」からどうぞ。

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【嫉妬】

（ピンポーン）
■有栖
ん？　誰か来たのか？？

あー、はいはいっと。

（みお（制服）を見る）
どちらさま？

■みお
（…男の人？
やっぱりこの家に
男の人が出入りしているって噂、
本当だったんだ…）
みおです。小夜子の親友の。

■有栖
（親友…ねぇ）
小夜子、まだ帰ってきてないけど

■みお
鍵忘れちゃって…。
誰か帰ってくるまで、待たせてもらえますか？

■有栖
ん。あがんな

■みお
ありがとうございますっ
（なぁ～んてね。小夜子が委員会で遅くなるのも知ってるし、
鍵忘れたなんてのも嘘。この人って小夜子のなんなの？）


＋＋＋


（リビング）
■有栖
（えーっと、お茶くらいだすべきだよな）
んー…どこにあったっけなぁ

■みお
おかまいなく

■有栖
そう言ってくれると助かるぜ
（みおのとなりに座る）

■みお
あなた…どこかで見たことあるわ

■有栖
そうか？
（やっぱ、バレんのヤバイかな）

■みお
うーん…
（顔をちかづけて）
あっ！　わかったぁ。
プランツのアイリスでしょう！

■有栖
あぁ…まぁ。

■みお
去年の５月か６月に発売のＣＤのＰＶに
小夜子出てたよね。
そのころから一緒に住んでるの？

■有栖
…いや、一緒に住み始めたのは年明けくらいからだけど。

■みお
ふーん…

■有栖
（そういえばコイツ、小夜子の親友とか言ってたな）
あの…さ、小夜子、学校でどうしてる？

■みお
どう…って？

■有栖
いや、別に…

■みお
（あらぁ？　何よ、そーゆー関係？　ここはひとつ…）
モテモテよ。

■有栖
…マジで？

■小夜子
ほら、小夜子って可愛いから
（本人に自覚はないんだけどねぇ）

■有栖
あぁ…まぁ……。
（うーん、そうか。やっぱりここは何かガツっと…）

■みお
同学年はもちろん、上級生までメロメロよ。

■有栖
（ウソだろ…）

■みお
（あら？　あらら？　もしかして、
小夜子のお相手ってホントにアイリスなの？）

（ガチャっ）

■ニーナ
ただいまぁ～

■小夜子
ただいま…あら、お客さん？

■みお
私よ、私。

■小夜子
みおっ。ちょっと待ってて。着がえてくるから。

■ニーナ
ニナもおきがえ～

＋＋＋

■ニーナ
みーちゃんっ。
（月の抱き枕を持って、みおのもとへ）

■みお
あら、ニナちゃん。
相変わらずそのクッション好きねぇ。

■ニーナ
みーちゃんも座る？

■みお
うんっ、のっけて。

■小夜子
遅くなってごめんなさいっ。
今、お茶の用意するから…

■みお
いいよー、別に。
今お茶いれると、ニナちゃんがこぼしちゃうし

■小夜子
……そうね。

（入口に座る）

■みお
ねぇ、アイリス。
今度のＣＤってどんなかんじ？

■有栖
それはトップシークレット☆
（ウィンク）

■みお
えー。ちょっとくらい教えてくれたっていいじゃない。

■有栖
だぁ～め。教えると俺がリーダーに殺される。
（ニーナが有栖に抱きつく）
…と、ニナ、どうした？

■ニーナ
あーちゃん、おっきぃ。

■有栖
へ？

■みお
あらぁ、おねむなのかなぁ？

■有栖
…ったく、そうならそうと言えよな。
てか、自分のベッドで寝てこい。

■みお
いいじゃない。おにぃさんって憧れるものよ～。

■有栖
まぁ、俺も長男だし。
そのへんの気持ちはわからないでもないけどな。

（着信音）

■みお
あら？　私かな？
りんからだわ。帰ってきたみたい。

■有栖
んじゃ、帰るのか？

■みお
うん。っていっても、すぐそこだけどね

■有栖
へぇ。ご近所さんなのか

■みお
えー。もう越してきてずいぶんたつでしょ。
私たち姉妹のことは、知っていてもらわなきゃ！

■有栖
はいはい。

■みお
小夜子、帰るね

■小夜子
うん…。

（小夜子、みおを送り出す）


＋＋＋


■有栖
ちょっとこいよ
（小夜子の腕をつかんで、自分の部屋に引きずり込む）

■小夜子
ニーナは？

■有栖
布団に寝かせてきた。

■小夜子
そう…。

■有栖
なぁ、小夜子。
さっき何考えてたんだ？

■小夜子
さっき？

■有栖
俺とアイツが話しているときだよ

■小夜子
別に…

■有栖
ウソだ。

■小夜子
…っ。

■有栖
いい加減、俺にウソつくのやめろよ。
俺に言えって、何度言ったらわかるんだよっ

■小夜子
…言えないわ

■有栖
小夜子っ

■小夜子
こんな…醜い……

■有栖
小夜子は綺麗だ

■小夜子
違う…

■有栖
綺麗で、美しい

■小夜子
違うわ…。
私はもっと、醜くて汚くて、自分の事ばっかり考えてるのよっ

■有栖
それも含めて、俺は小夜子が好きなんだ。
ほら、言ってみろよ。な？

■小夜子
…私でよかったのかなって思って。
有栖の隣はみおみたいな子の方が似合ってるのに、
私、この場所手放したくなくて…

■有栖
（…やきもち焼いたのか？　それなら俺だって）
小夜子を学校に行かせたくねぇよ。

■小夜子
え？

■有栖
共学だろ？
アイツの話だと、同級生だけじゃなくて、
上級生にまでモテてるらしいじゃねぇか。
そんなとこにひとり、送り出せると思ってるのかよ？
いつ、気がかわるのかって、ハラハラしてるんだぜ。

■小夜子
そんなっ。私には有栖だけよ。

■有栖
俺もおんなじ。俺には小夜子だけだ。

■小夜子
あ…。

（小夜子の側による）

■有栖
…ん…甘ぇ。

■小夜子
ありす……

■有栖
もっと…、なぁ、もっといいだろ