003：木の葉、ひとひら

この回で、お話のＵＰは
いったん終了です。
これで、私のイメージと
ここに来てくれてる人のイメージが
同じになったかなぁ…。

時間ができたら、続きを書きたいなって思っています。

では「つづき」から　どうぞ。

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【木の葉、ひとひら　１】



■珠華
ニナちゃん、
僕が仕事している間、暇じゃない？

■ニーナ
そんなことないよぉ。
ニナは珠華といっしょがいいの

■珠華
でも…
（汚いことしてるの、
あんまり見せたくないんだけど）

■ニーナ
ニナ、ジャマぁ？
いないほうがいい？

■珠華
そんなこと…ないけど……

■ニーナ
うーん…

■珠華
ねぇ、ニナちゃん。
やりたいこと、ないの？

■ニーナ
えーっと、うーんと…
おそとに行きたい！

■珠華
（ひとりで外に出すわけにはいかないな…）
うん、いっしょに行こうか

＋＋＋

■ニーナ
はやくはやく～

■珠華
ニナちゃん、あんまり走っちゃダメだよ

■ニーナ
大丈夫だもんっ
ニナ、おねぇさんだもんっ

■珠華
そうだね、ニナちゃんはおねぇさんだよね

■ニーナ
あー。ホントはそんなこと思ってないくせに。
どーせニナはおこちゃまですよー

■珠華
そんなことな…ニナちゃん、危ないっ

■ニーナ
ふぇ…っ

（ニーナがよそ見していて人にぶつかる）

■？
大丈夫ですか？

■ニーナ
…うん。
おにーちゃんは大丈夫？

■？
はい、私は…

■珠華
ニナちゃん、怪我はない？

■ニーナ
うん。へーきだもっ

■珠華
すみませんでした。

■？
いえいえ。大丈夫ですよ。

■珠華
でも…その箱の中は？
ケーキですか？

■？
もういらないものなので。

■ニーナ
ケーキ…食べないの？

■？
兄がイライラしていたので
甘いものでも食べて落ち着けばと思って
作って行ったのですが、
逆に怒られてしまいました。
…よろしければ、召し上がりますか？

■ニーナ
ケーキ！！　ニナほしー…

■？
どうぞ。

■珠華
すみません。

■？
いえいえ。ではこれで。

■珠華
ありがとうございました。

■ニーナ
ありがとー、おにーちゃん


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【木の葉、ひとひら　２】

■珠華
これは…あの人の判子がいるな。
めんどくさい。

ニナちゃん、ちょっと出てくるよ。

■ニーナ
うん。いってらっしゃい。

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（コンコンっ）

■珠華
失礼します

■黒服
貴様がやったことはわかっているんだ！

■男１
私ではありません、兄が…っ

■男２
兄さんっ、何を言うんだ…

■男１
涼兄さん、嘘はやめて。
僕を巻き込まないで

■男２
違うっ。貴方が兄さんじゃないか

■黒服
えぇい、まどろっこしい！
いったいどっちが涼なんだ？！

■珠華
…取り込み中、だったかな？

■珠華の父
いや、いい。
何の用だ？

■珠華
父さんの判子が必要でしてね
（ふたりの男を見て）…あなたは先日の

■珠華の父
知っているのか？

■珠華
一度会ったことが

■珠華の父
見ての通り双子でな、
兄の方が俺を裏切ったのだよ

■珠華
…そうですか。
先日のお礼をさせてください。

ケーキ、ありがとうございました。
おいしくいただきました。
ニナちゃんは
チョコレートケーキが気にいったらしくて。
また作っていただけますか？

■男１
えぇ、もちろん。
また作らせていただきます。

■男２
…えっ。
確か、チョコレートは作らなかったような……

■男１
…っ

■珠華
こっちが弟…だね。

■男１
違います！　そんな…っ

■珠華
父さん。これ、欲しいんだけど

■珠華の父
あぁ。好きにすればいい
…離してやれ

■男１
待ってください。
あっちが兄さんで

■黒服
くどい！

■珠華
行くよ

■男２
は、はい…


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【木の葉、ひとひら　３】

■珠華
名前は？

■葉
葉（よう）と申します。
ご子息とは知らず、すみませんでした。

■珠華
いや…それは別にいいんだけど。
僕は珠華（しゅか）。
名前で呼んでくれるとうれしいな。

■葉
はい、珠華様。

■珠華
………ごめん。君しか助けられなかった

■葉
いえ、兄は罰せられても
仕方がないことをしたのですから。
私を助けてくださって
ありがとうございました。

■珠華
……これから、どうするつもりだい？

■葉
どうしたら…いいでしょうね。
もうここにはいられないでしょうし。

■珠華
僕のところに来る？

■葉
え…っ

■珠華
ちょうど人手が欲しいと思っていたんだ。

■葉
…はい。珠華様に仕えさせてください。

■珠華
うん。よろしくね、葉。


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【木の葉、ひとひら　４】

■珠華
ただいま、ニナちゃん

■ニーナ
珠華！！
ぎゅぅするー

■珠華
うん、ぎゅぅー

■ニーナ
ぎゅぅ♪

■葉
珠華様、あの……

■ニーナ
あれ？　この前のおにーちゃん？

■珠華
そうだよ。よく覚えていたね

■ニーナ
うんっ。だってケーキおいしかったんだもん！

■珠華
葉、紹介するよ。
こちらはニナちゃん。
僕の恋人だ。

■ニーナ
ニナですっ。
ホントはニーナっていうの。
でもニナはニナってよぶんだ♪

■葉
はい。ニーナ様。
葉と申します。

■ニーナ
よろしくね、よーちゃん

■葉
よーちゃん…いえ、私のことは葉とお呼びください。

■ニーナ
ふぇ？　だめぇ？

■葉
いえ…失礼いたしました。
ニーナ様のお好きなように。

■ニーナ
うーん、わかった。葉、だね。

■葉
ありがとうございます。

■珠華
葉にはニナちゃんのお世話をしてほしいんだ。
見ての通り、ニナちゃんは目が見えないから
僕が仕事をしている間、見ている人が必要でね。

■葉
かしこまりました。

■ニナ
ニナ、これから葉といっしょなの？

■珠華
お仕事の間はね。
帰ってきたら僕もいっしょだよ

■ニーナ
ホント？
ニナ、いい子で待ってる

■珠華
うん。えらいえらい。

■ニーナ
あれ？　ってことは、珠華が帰ってきたら
葉はおうちに帰るの？

■珠華
うーん、どうしようか。
ひとり暮らしなの？

■葉
兄と二人で暮らしていました。

■珠華
ご両親は？

■葉
本国におります。
私と兄のふたりで日本へ参りました。

■珠華
そっか。お兄さんはどうなるかわからないし…。

■葉
えぇ……。

■ニーナ
？？？
葉はひとりぼっちなの？

■葉
まぁ…そうですね

■ニーナ
ダメ！　ひとりぼっちは寂しいよ
いっしょしよう。

■珠華
うん、部屋はひとつ余ってるから、
そこに住めばいいよ

■葉
ですが…

■珠華
僕は強制するつもりはないから。
嫌なら別にいいけど。

■葉
……お世話になります



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やっと葉が出てきました。
これで「数年後」の世界に登場する人物がそろいました。
ドールとしても、完成させてあげたいなぁ。
てか、メイク直ししたい。
でも時間が…。