029：彼岸花

やっと「リコリス」の本名をＵＰすることができました。
長かった…。
これをＵＰしてしまえば、
たいていの話題はＯＫです。

あ。違った。

数年後のお話…の、起点になるシナリオがＵＰされるまでは、
話しちゃいけないことがあった。
うーん、もどかしい。




では「つづき」からどうぞ。

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【彼岸花】

《リコリスの家の玄関》

《ピンポーン》
■ニーナ
リィちゃーん。
遊びにきたよぉ。

《玄関を開ける》
■リコリス
よくきたね、ニナちゃん。
ひとりかい？

■ニーナ
うんっ。
あーちゃんとおねぇたんは
デートなんだって。

■リコリス
ふぅ～ん。そっかぁ。
おいで…。

■ニーナ
うん。

＋＋＋

《リコリスの部屋》

■リコリス
ここが僕の家。
どう？

■ニーナ
ふわぁぁぁ。
ニナのお部屋と全然ちがう～

■リコリス
くすくすっ。そうだね。

《狐花をだしてくる》
ほら、これが狐花だよ。

■ニーナ
キッカちゃん…。

■リコリス
狐のお花って書いて、狐花だよ。

■ニーナ
よろしくっ、狐花ちゃん。
ニナはねぇ、ニナだよぉ。
狐花ちゃんもいっしょにお話しようよ。

＋＋＋

■ニーナ
でねっ、あーちゃんってば
おねぇたんにべったりなんだよぉ。
ずるぅい。

■リコリス
う～ん…そうだね。
ニナちゃんは、お姉ちゃん好き？

■ニーナ
うんっ。大好きっ☆

■リコリス
そっかぁ。

■リコリス
でも、あーちゃんもリィちゃんも好きだよっ☆

■リコリス
僕も？

■ニーナ
うんっ。
ずっと、ずっと大好き☆

■リコリス
ずっと？

■ニーナ
ずっとだよぉ。
前にも言ったじゃん。
ニナは、ずっとリィちゃんが好き☆

■リコリス
……ニナちゃん、おひざにおいで。

■ニーナ
ふぇ？
《珠華の膝にのる》

■リコリス
ナイショのお話しよう。

■ニーナ
ナイショ☆
するする～

■リコリス
僕の本当の名前、教えてあげる。

■ニーナ
ホントの名前？

■リコリス
『リコリス』はバンドでの名前だからね。
本当の名前は別にあるんだ。

■ニーナ
ふ～ん。

■リコリス
お姉ちゃんにも、アイリスにも、おかぁさんにも
ナイショにできる？

■ニーナ
おねぇたんもダメ？

■リコリス
うん。ダメ。
ナイショにできるんだったら、
教えてあげるよ。

■ニーナ
（う～ん…、おねぇたんにナイショ。できるかな？
でもリィちゃん、いつもつらそう…）

ナイショするぅ～

■リコリス
本当にできる？

■ニーナ
するもんっ

■リコリス
うん。じゃあ言うね。
僕の名前は、『珠華』だよ。

■ニーナ
しゅか？

■珠華
そう。綺麗なお花の手毬っていう意味だよ

■ニーナ
ニナ、手毬見たことあるよっ。
おかぁさんが作ってた。
いろんな色で、すっごく綺麗なのぉ。

■珠華
ねぇ、ニナちゃん。
これからふたりだけのときは、
『珠華』って呼んでほしいな

■ニーナ
ふたりだけ？
他の人がいたらダメなの？？？

■珠華
うん。だってニナちゃんにだけ教える
特別な名前だから…

■ニーナ
（トクベツ…）
しゅ…、しゅ…か？
しゅか？？？
しゅか、しゅか、しゅか…

■珠華
大丈夫だよ。ちゃんと言えてる

■ニーナ
よかったぁ。
ねぇ珠華―。
…あっ！　狐花ちゃんがいる。

■リコリス
あぁ…、狐花は知っているよ。
大丈夫。

■ニーナ
じゃぁ、３人の秘密だね♪

■リコリス
…そうだね。

＋＋＋

■リコリス
起きて、ニナちゃん。
お姉ちゃんが迎えにきてるよ

■小夜子
ほら、いつまでも寝てないで。
夜眠れなくなっちゃうわよ

■ニーナ
ん～、おねぇたん。
あれ？　しゅ……リィちゃん？

■リコリス
ん～？　まだ寝ぼけてるのかなぁ？？

■有栖
ほら行くぞ、ちびっこ

■ニーナ
ちびっこじゃないもんっ

■有栖
おっ。起きたな。
ほらっ。とっとと車乗れ。

■小夜子
今日は、ニーナがお世話になりました

■リコリス
んー。いいよぉ、別に。
ニナちゃんに遊んでもらったし

■小夜子
そんな…

■有栖
小夜子っ。いつまで、そんな野郎のとこにいんだよ
さっさと帰るぞ

■小夜子
えっ、ちょっと、有栖！

■リコリス
まぁまぁ。
行ってあげなよ。
アイリスをあまり挑発しないほうがいいよ

■小夜子
え？

■有栖
来いって言ってんだろ
《有栖、ムリヤリ小夜子の腕をひっぱる》

■小夜子
え？　あ、ちょっと…

■リコリス
また来てねぇ～
《手を振る》

＋＋＋

■リコリス
《ふと、手をみて》
なにを考えているんだろうねぇ、僕は。

ねぇ、狐花。
今までは狐花だけでいいと思っていたのに
あのこも欲しがる僕は欲張りなんだろうか…。
ねぇ…。