026：過去の残像

ブライスやテヤンは
机の上に飾っているのですが、
小夜子のお顔を見ると安心します。
私の原点はココなんだなぁって思って。
最近はＳＤを撮ることが多いのですけど、
やっぱり小夜子＠ブライスが好きです。
もちろん、みんなに思い出があって、
みんな好きなんですけどね。

では「つづき」からどうぞ。

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【過去の残像】

《有栖の部屋》
■有栖
前から思ってたけどよ、
どうして小夜子は
あんなに必死になるようになったんかな。

……おい、薫令。
無視かよっ。

■薫令
まぁ…知ってはいるけど、
私から言わない方がいいんじゃない？

■有栖
だからって直接聞けねぇだろ。
…あぁ、ウサギがいたな。
ちょっくら狩ってくる。
《有栖、ドアのほうへ》

■薫令
それはいいけど…
アノあとから避けられてるんでしょ？

■有栖
んー、なんとかするよ。
そっちもケリつけねぇと、
小夜子が悲しむ。


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《リビング・ニーナがひとり》

■ニーナ
おっかし。おっかし。
ん～、ほっぺぷるぷる～♪

《有栖登場》

■有栖
よぅ。ここにいたのか

■ニーナ
（！！　あーちゃん！）
《逃げようとする》

■有栖
おーっと、そうはいかないぜ。

■ニーナ
やぁ。ニナお部屋かえるもんっ。
《有栖の腕の中で暴れる》

■有栖
ちょ、痛いって。
俺らが仲悪いと、小夜子が悲しむだろ

《ピタっと抵抗がやむ》
《ふたりして、隣同士で座る》

■ニーナ
（あーちゃんといるのは、おねぇたんのためなんだからっ）
《有栖を睨みつける》

■有栖
前みたいにお膝に来ないのか？

■ニーナ
行かないもんっ

■有栖
（んー、嫌われてるなぁ…でも）
なぁ、ここに来る前ってどこに住んでたんだ？

■ニーナ
おかぁさんのお家の前……
えっとー、幼稚園みたいなところで
みんなで生活してたよ

■有栖
幼稚園みたいなところ？

■ニーナ
うん。おかぁさんがいて、
ニナとか、ニナよりおっきな子とかいた。

■有栖
小夜子もそこにいたのか？

■ニーナ
うんっ。……みんなのおねぇたんだった。
でもねっ、ニナにはトクベツ優しかったんだよ！

■有栖
ふーん、そっか。
（なるほどねぇ…って、わっかんねぇよ）
ニナと小夜子はずっといっしょだったのか

■ニーナ
……ちがぅ。

■有栖
へ？

■ニーナ
おねぇたんが中学卒業して、おうち出て行っちゃって、
ニナ…置いてかれたの。
たまに会いにきてくれたけど……ふぇ（うるうる）

■有栖
でも今はいっしょだろ？

■ニーナ
おねぇたんが迎えにきてくれたの。
でも、その間は…ひとりっ、ぼっ…ち……
《ニーナ　泣く》

■有栖
ほら、来いよ。
《ニーナ、素直に有栖のお膝にのる》

今はひとりじゃないだろ。
寂しくなんてない。な？

■ニーナ
…ぅん。

《小夜子　帰宅》

■小夜子
ただいま……って、どうしたの？

■ニーナ
ふぇ…おねぇた～ん（メソメソ）

■小夜子
おいで。《ニーナ、膝をついた小夜子に飛びつく》
…どうしたの、ニーナ。

《ニーナ、さらに小夜子を抱き締める》

■小夜子
…有栖。何があったの？

■有栖
あー、まぁ、ちょっと昔の話を聞いてただけだ

《小夜子、動揺する》

■小夜子
昔…？

■有栖
あぁ。小夜子に置いていかれたことを思い出して
寂しくなったみたいだ

■小夜子
…そう。
ねぇニーナ。私はここにいるわ。
ずっといっしょよ。
もう離れたりしないから…。

■ニーナ
ホント？　もう置いていったりしない？

■小夜子
しないわ。いっしょにいて。

■ニーナ
うん。おねぇたんといっしょ。

■有栖
（んー、いつもの光景なんだけど、
ちょっと小夜子の様子、おかしくないか？）

なぁニナ。小夜子と一緒になれるオマジナイ、
教えてやろうか？

■ニーナ
おねぇたんといっしょ？
《ニーナ、振り向く》

■有栖
ちょっと来いよ。他人に聞かれたら、ダメなんだぜ

■ニーナ
ナイショ話～♪

《ニナが有栖のほうへ行こうとする》

■小夜子
ニーナ！！
《ひきとめようとする小夜子》

■ニーナ
ふぇ？
《ニーナ、小夜子を振り向く》

■有栖
（やっぱり変だ。いつもの余裕がねぇ）

■小夜子
（あのときニーナを置いていった罰かしら。私は…）

■有栖
小夜子、ちょっとここに座れ《足の間を示す》

■小夜子
（私は…どうしたら償えるの？　どうしたら…）

■有栖
おい小夜子！
《ハッとしたように有栖を向く》
こっちだ、こっち

■小夜子
え？

■有栖
いいから、早く！

■小夜子
えっと…《有栖の横にちょこんと座る》

■有栖
ここだって言っただろうが
《ムリヤリ足の間に座らせる。小夜子を背中から抱えこむような格好に》

■小夜子
あの…有栖？

■ニーナ
おねぇたんっ。
《前からニナが抱き締めてくる》

■小夜子
ちょ…っ、そんなに体重かけられたら
《有栖に寄りかからないようにがんばる小夜子》

■有栖
これくらいへーきだぜ。
俺をなめんじゃねぇよ

■小夜子
でも…あぁもうっ、ニーナっ
《結局ニナに押し切られて、有栖を背もたれに》

■ニーナ
あのね、あのねっ。
ニナが寂しくなったら、おねぇたん来てくれる？

■小夜子
えぇ、もちろんよ

■ニーナ
じゃぁ、おねぇたんが寂しくなったら、
ニナが行くね

■小夜子
うれしいわ…

■ニーナ
でもね、おねぇたんがツラくなったら、ニナは行けないの。

■小夜子
え？　……どうして？

■有栖
俺がいるだろ

■小夜子
あり…す……

■ニーナ
ニナじゃダメだもん。
おねぇたん、あーちゃんがいいんでしょ？

■小夜子
違うわっ。ニーナがいいに決まってるじゃない！

■ニーナ
……ホントに？

■小夜子
えぇ、もちろんっ

■ニーナ
えへへっ☆　…だけど、やっぱりダメだよ。
ニナはおねぇたんが寂しい時にいっしょにいるの。
ツラいときは、あーちゃんのがいい。

■小夜子
どうして？　私は辛い時もニーナにいっしょにいてほしいわ

■ニーナ
ん～、あーちゃん、いっしょにいていい？

■有栖
ダメだ

■小夜子
有栖っ

■ニーナ
じゃあ仕方ないよね☆

■小夜子
…どうして。どうして一緒にいてくれないのっ？

■ニーナ
だって、ニナじゃダメだもん。
おねぇたんが何考えてるのかわかんないもん

■小夜子
側にい…

■有栖
ストップ。もう何も言うな。

■小夜子
有栖っ

■有栖
俺のせいにしていいから、ちょっと黙ってろ

■小夜子
（どうして…有栖は私からニーナをとりあげるの？）

■有栖
ニナ、席外せ

■ニーナ
席外せ？？？

■有栖
部屋に帰れってこと

■ニーナ
…うん。


＋＋＋


■有栖
…言いたいことは？

■小夜子
有栖なんて大嫌いっ

■有栖
……そうか。それだけ？

■小夜子
それ以上の、何があるのよ

■有栖
誰もいないんだ。
何だって言えるだろ

■小夜子
出て行って。この家から出て行って！

■有栖
それはダメだ。

■小夜子
じゃあ私たちが出て行くわ

■有栖
『私たち』？
『私』の間違いだろ

■小夜子
またニーナを置いていけっていうの？

■有栖
アイツにも相談しろって言ってるんだ

■小夜子
あんなに小さな子が決められるはずがないじゃない

■有栖
自我をもったら、ひとりの人間だ。
ニナだって考えることくらいできる

■小夜子
そんな…

■有栖
―ことないって？
子ども扱いしてるのはどっちだよ

■小夜子
子どもなんだから当然でしょ

■有栖
俺から言わせれば、小夜子だってまだ子どもだ

■小夜子
……っ。

■有栖
なぁ、甘えるのは子どもの特権だぜ

■小夜子
……だとしても、あなたにだけは甘えたくないわ
《小夜子、部屋を出る》


＋＋＋

■有栖
……はぁ。失敗したぁ。
どうすっかなぁ