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手芸も写真も好きなので、
outfitを作ったり、
いろんな場所で写真を撮ったり。
そんな活動の記録です。
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【Boy meets girl... 第12回】
小夜への恋を自覚したら、
全部が小夜中心にまわっちまった。
電話で声聞いただけで機嫌がよくなったり、
メールの返信を待ってみたり。
これじゃぁそのへんの女子高生と変わらねぇな。
でも、小夜が俺のこと、なんとも思ってないのはわかってる。
わかってるからこそ、
次会うときは、夜遊びも女遊びもやめて、
小夜を守れるようになってからだと思った。
だから夜遊び仲間とも縁を切り、女ともみんな別れた。
そんな態度を見てリーダーは安心した顔をしていた。
リコリスだけは「小夜ちゃんの影響?」と笑っていたっけ。
そんなこんなでやっと会えると思ったら、
今度はライブが重なった。
ライブとなると、とたんに仕事が増える。
しかも今回は野外のフェスタだった。
いろんなバンドが絡んでくるから、打ち合わせにつぐ、打ち合わせで
なかなか時間がとれない。
会えないのはキツイけど、
まぁコツコツと『お友達から』ってやつだと思えば…
って、ラクにならねぇよっ。
会えないほど会いたくなるって、マジなんだな。
そして季節が変わり、冬が近づいてくる。
俺は小夜の誕生日を思い出した。
あの小夜だ。
服とか香水なんて贈っても喜ばねぇだろ。
あんまり高いものもダメだろうな。
小夜が『ほしいと思っても我慢できちゃうようなもの』がベスト。
でも、そ~れが難しいんだよ。
なにせ普通の女とは違うんだから。
どうしよう…と、店をめぐっているうちに日付がすぎていく。
残りの日数に焦りを感じて、俺は駅前のショッピングモールに入った。
片っ端から店に入っていくと、
アクセサリーショップできれいなティアラをみつけた。
着物も似合うけど、甘い乙女っぽいのも似合ったな…。
夏に見た服を思い出す。
結局、ストーンがついた少し大きめのティアラを買った。
プレゼントがティアラだから、
バースデーカードはシンプルなものにした。
問題は何を書くか、だ。
小夜に直接「無理するな、もっと頼れ」と言ったところできかないだろうし、
かといって簡単に「誕生日おめでとう」なんて書けねぇ。
延々と悩んだ末に、こんなことを書いてみた。
『たまにはお姫様になって、
わがまま言ったっていいんじゃねぇの?
アイリス』
ちょっとキザだったかな。
ま、いっか。
住所を知らない俺は、事務所経由で渡してもらうことにした。
12月1日に、絶対、と念を押して。
づづく…