016：Live !

カオレはあまりライブにいきません。
コンサートの方が多いかも。
ライブも大好きですよ。
でも、何度も行く資金が…。
いつもお金の話しててすみませんっ。
ビンボー学生なので許したってください。

では「つづき」からどうぞ。

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【Live!】

■薫令
そういえば小夜子。

■小夜子
なに、薫令ちゃん。

■薫令
有栖の携帯番号知ってる？

■小夜子
有栖の？　知ってるけど…

■薫令
今度ライブに連れて行ってくれるって
言ってたじゃん。

■小夜子
あぁ。あの話？

■薫令
そうそう。
でさ、今度のツアーって最終日、
横浜なんだよね

■小夜子
……何が言いたいの？

■薫令
ライブに入れてくれるように、
有栖にお願いしてっ

■小夜子
わ、私が？！

■薫令
うん。

■小夜子
自分ですればいいじゃない

■薫令
だって私のところには電話かかってこないもん

■小夜子
……っ（気づいていたのね）

■薫令
ってことで、よろしく～

＋＋＋

■有栖
今日はもうさぁ、くったくた。
このまま小夜子の声聞いて眠りたい

■小夜子
………そう。布団にだけは入りなさい。

■有栖
（あれ？　今、間があったよな）
んー、小夜子が何考えてるのか教えてくれたらな

■小夜子
何…って、別に

■有栖
なんでもないってかんじじゃねぇぞ

■小夜子
………あのね、薫令ちゃんが
ツアー最終日のライブに行きたいんですって。

■有栖
あー…、そんな話もあったな。
てか、よく覚えてるよな、アイツ。
もちろん、小夜子とニナもくるんだろう？

■小夜子
え？　…迷惑じゃないかしら？

■有栖
来てくれなかったら俺がへこむから。

■小夜子
あのね、末席でいいの。
だから、あんまり迷惑に…

■有栖
（末席って…）
おまえ失礼だぞ。
全席完売してるのに『末席でいい』なんて言うな。

■小夜子
ごめんなさい。
あの、ライブのことはよくわからなくて…。
でも、傷つけてしまったことには違いないのよね。

■有栖
（ホントに小夜子は、こーゆートコ律儀だよなぁ）

■有栖
関係者用のパスを送るよ。
それ持ってれば、楽屋もこれるし、
舞台袖からなら見られるから。

■小夜子
…無理はしないでね

■有栖
だぁーかぁーらぁ。
小夜子が来ない方がへこむんだって。

＋＋＋

（ライブ当日）

■小夜子
いい？　ここでは声だしちゃダメよ。
舞台の横だから、お客さんに聞こえちゃうからね。
それから、あんまり頭だしちゃダメ。
見えちゃうでしょ。

■ニーナ
うん♪　楽しみ～

■薫令
始まるみたいよ

■アイリス
さぁ次の曲は、みんなもよく知ってるヤツ！
『花菖蒲』

■小夜子
（あ…この曲、ＰＶの仕事をしたときの曲だわ。
初めて、有栖と会ったときの…）

■アイリス
っとその前に、ツアー最終日なんで、
彼女が来てくれたんだぜ！

■アイリス
『花菖蒲』のＰＶに出てくれた、
小夜（さや）ちゃんでーす

■小夜
（な、何を話せばいいのよっ）
小夜です。初めまして（軽く手を振る）

■アイリス
この声でわかったかなぁ？
『俺の名前を呼んでる人は？』って議論になったアレ。
正解は、小夜だ。ちょっと呼んでみてくれよ。

■小夜
（よ、呼べばいいのよね…）
『―アイリス』

（きゃぁぁぁぁ）

■小夜
（え？　えぇっ？？　なんなの？）

■アイリス
じゃあ小夜にも参加してもらって、
『花菖蒲』、始めるよ☆

■アイリス
小夜子、
セリフと歌えるところだけでいいから。
いきなりで悪ぃ。

■小夜
（『花菖蒲』なら、何度も聴いているから覚えているわ。
歌ってもいいのかしら？
…歌いたい。有栖と一緒に）

■アイリス＆小夜
『いずれがアヤメかカキツバタ』

『―アイリス』

＋＋＋

■アイリス
ありがとう♪
小夜でしたー。

（舞台袖）

■小夜子
緊張したわ…

■薫令
あははー。小夜子でも緊張するんだぁ

■小夜子
あたりまえでしょっ

■ニーナ
しーっ

■小夜子＆薫令
……。

＋＋＋

■リーダー
おつかれさま～

■リコリス
おつかれぇ

■小夜子
（楽屋までお邪魔しちゃってよかったのかしら…）

■アイリス
ん？　どうした？

■小夜子
あの…

■リーダー
小夜ちゃん、未成年だったよね。
コーヒーしかないんだけど、いいかな？

■小夜子
あっ、はい。ありがとうございます。

■リコリス
ニナちゃんにはジュースね。
オレンジは好き？

■ニーナ
スキ～♪

■リーダー
じゃあ、ライブの終幕を祝って、
乾杯！

■小夜子
乾杯。
（あら、これ…ブラックだわ。どうしたら）

■アイリス
（ん？　飲まないのか？　…あぁ、なるほどね）
ちょっと風にあたってくる

■リコリス
ニナちゃん、おいでおいで。
こっちのお菓子も食べる？

■ニーナ
食べるぅ～♪

■小夜子
ニーナっ。
…すみません。

■リコリス
んー、別にいいよぉ。
こんなに可愛い子に会えるの、
めったにないしね

■小夜子
はぁ…。

■ニーナ
おいしーvv

■アイリス
今日は舞台に引っ張り出して悪かったな

■小夜子
ううん。
あんなにキラキラしたところにいるのね…
（たくさんの女の子に囲まれて）

■アイリス
別に。小夜子だって似たようなもんだろ

■小夜子
そう…かしら？

■アイリス
ま、ファンなんて関係ねぇよ。
歌っていられれば、それでいい。

■小夜子
そう…
（よかった…って、あれ、私……。
嫉妬、してた？
嫌だわ、こんな醜い自分）

■アイリス
それより、ほら。
こっちなら飲めるだろ

■小夜子
（有栖が…？　私のために……？）
…ありがとう

■アイリス
……っ。
（ふざ…けんなっ。
そんな笑顔、こんなところで見せるんじゃねぇよ）

帰るぞ。

■小夜子
え？

■アイリス
ほらっ。チビものんきにお菓子くってないで。

■ニーナ
ぶぅ。チビじゃないもんっ。

■リコリス
くすくすっ。
お菓子、少し持って帰る？

■ニーナ
やったぁ☆
ありがとう♪《ほっぺにチュッ》

■リコリス
……今度、遊びに行ってもいいかな？
お菓子をたくさん持っていくよ

■ニーナ
うんっ。ニナのお部屋～♪

■リコリス
じゃあね～。また今度。
おやすみなさい。

■ニーナ
おやすみ♪

■小夜子
今日はありがとうございました。
お先に失礼します。

■リーダー
うん。気をつけてね。
アイリス。運転、注意しなさい

■アイリス
わかってるよ。
ったく、行くぞ

■ニーナ
はぁ～い

■小夜子
ありがとうございました。
《ぺこり》

＋＋＋

■小夜子
私…やっぱり、有栖のことが……