018：誰の服？

この話、ホントは
もっと前にいれるはずでした。
ナンバリングがずれてて、
公開しそびれました。
話としては単発なので、
いつ公開してもいいんですけどね。

では「つづき」からどうぞ。

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【誰の服？】　

《リビング》

■小夜子
（赤い有栖の女装服を見て）
………ねぇ、薫令ちゃん。
この服、なにかしら？

■薫令
どの服？

■小夜子
この赤い服。
私には……結構大きいみたいだし。

■薫令
うーん、それは……

《回想》
■有栖
絶対、小夜子には言うなよなっ。
女物の服、着てたなんて知れたら…。

《回想終了》
■小夜子
言えないの？

■薫令
え、えっとぉ…

■ニーナ
ただいまぁ～

■有栖
チビ、迎えに行ってきたぞ

■ニーナ
ニナはチビじゃないも…あっ！その服！！

■有栖
ん？…げっ。
なんでそれがここにあるんだよ。
おい、薫令っ。

■小夜子
…ふたりとも、何か知ってるの？

■ニーナ
あのね、そのお洋服ね、

■有栖
言うなバカっ

■小夜子
……（満面の笑みで）おねぇちゃん、知りたいな

■ニーナ
うんっ。チビとかバカとか言う人のいうことなんて
きかないもーん。

■有栖
もう言わねぇから…なっ。

■ニーナ
えー。前にヤクソクやぶったじゃん。

■有栖
今度はやぶらないから。だからっ…

■小夜子
……いいわよ、別に。
もういいの。
私だけ仲間はずれなんでしょう？
（泣きまね）

■有栖
お、おいっ。泣くなって。（本気で慌てる有栖）
そーゆーんじゃねぇんだよ。

■ニーナ
あー。
あーちゃんがおねぇたん泣かせたぁ。
いいもん。言っちゃうもんっ。

それね、あーちゃんのお洋服だよ。

■小夜子
…………え？

■ニーナ
あーちゃんのお洋服。

■有栖
はぁ～。（頭に手をやり、深い溜め息）

■小夜子
……着たの？　コレを？

■有栖
あぁ…まぁな。
イベントのときに少し……。

■小夜子
…………………。
（服と有栖とを見比べる）

■有栖
わかったんだからもう…

■小夜子
着て。

■有栖
へっ？！

■小夜子
ニーナは有栖が着てるところ、見たんでしょう？

■ニーナ
みたぁ☆

■小夜子
なら私も見たいわ

■有栖
………わかったよ。お姫さまの言うことだ。
ちょっと待ってろ。

《有栖退室》

■ニーナ
あのね、あーちゃんね、
すっごくキレイだったんだよぉ。

■小夜子
そう…

■ニーナ
あー。信じてないでしょぅ。

■小夜子
私は見ていないから…。

《有栖：女装で戻ってくる》

■有栖
こんなもんか？

■ニーナ
ふわぁぁぁぁ～。
やっぱりキラキラ～～☆

■有栖
なにがだよ？

■ニーナ
あーちゃん、おめめキラキラ～。
カッコカワイイのぉ～。

■有栖
男が「カワイイ」とか言われても、
うれしくないから。
……小夜子？
ん？　どうした？

■小夜子
…別に、何でもないわ。
（私より綺麗に着こなせるなんて…）

■有栖
何でもないって顔じゃねぇだろ。
ほら、言ってみろよ。

■小夜子
（この余裕もくやしいのよっ）

■有栖
小夜子の言うことなら、
何だって叶えてやるから

■小夜子
………本当に？

■有栖
ん？

■小夜子
本当になんでもいいのね？

■有栖
あ、あぁ…。

■小夜子
じゃあ、今日一日、そのままでいて。
（凄みのある、満面の笑み）

■有栖
へっ？！

■小夜子
何でも叶えてくれるんでしょう？

■有栖
（甘えてるのか、イヤガラセなのか。でも、まぁ…）
『小夜子』のお願いならな。
《小夜子の手の甲にキス。
視線は小夜子とあわせたまま。挑発的に》

■小夜子
…っ。
《慌てて手を引いて、顔を背ける》

■ニーナ
ねぇ、あーちゃん。

■有栖
なんだ？

■ニーナ
今日も このお洋服？

■有栖
あぁ。今日はずっとこのままだ。

■ニーナ
じゃあ今日は、あーちゃんも女の子ね。
いっしょに遊ぼう☆

■有栖
ん。何するんだ？

■ニーナ
えっとねぇ…